コンディショニング研究会

カラダのコンディショニングとは?
知っているようで奥深い”コンディショニング”について
分かりやすく解説します。

現代人の代表的不調、ドライアイは生活習慣病?!
運動で改善、健康的な食事やポジティブ思考も好影響

座りっぱなしの生活が涙の量を減らす

日本企業に勤務する会社員561人を対象とするドライアイ実態調査「Osaka Study」では、メタボリックシンドロームに該当する人は涙の量が少ない、ドライアイの人(ドライアイ確定と疑いありの人、以下同)に比べてドライアイではない人は運動習慣があるといった結果が出ています*2*3。デスクワークが中心の一般的な会社員の場合、パソコンなどデジタル機器の画面を長時間見続けてまばたきが少なくなるのもドライアイの誘因の1つと言えますが、座りっぱなしの時間が長くなる影響も見逃せないようです。

涙の分泌は自律神経の影響を受けていて、副交感神経が優位なリラックスした状態のときに出やすくなります。研究者らは、座りっぱなしで長時間仕事をすると交感神経が優位になり、涙が出にくくなると考察しています。

生活習慣の改善がドライアイに有効

前述のドライアイ実態調査では、ドライアイの人は睡眠の質が悪く幸福度が低いこともわかりました*4。体を動かすかどうかだけではなく、生活習慣全般とドライアイに深い関連がありそう、ということで以下の試験が行われました*5。対象は仕事でパソコン作業を1日に4時間以上行っていて日ごろの運動習慣がなく食事にも気をつけていないドライアイの日本人41人(平均39.2歳)。2つに分け、片方にだけ運動、食事の指導をして、よかった出来事を書き出すようにしてもらいました。運動は4分間のスクワット、20分間の歩行、10分間の踏み台昇降、15分の自転車こぎ、10分間の軽いジョギング、7~8分間のランニングのいずれかを毎日、食事は血糖値を急上昇させない低GI(グライセミック・インデックス)の食品と魚や野菜をバランスよくとることをすすめています(生活改善群)。もう一方は今まで通りの生活を続けました。

2カ月後、生活改善群に4人いたドライアイ確定の人がゼロになり、ドライアイQOL質問票(DEQS)のスコアも改善。具体的には目の乾きや痛み、疲れ、読書中の目の症状の悪化、集中力の低下、仕事への差し障りが軽減し、幸福度スコアも上がりました。今まで通りの生活を続けた人では目立った変化はありませでした。

デスクワーク時のみならず、移動中やプライベートでもパソコンやタブレット端末、スマートフォンなどの画面を見続ける時間がますます長くなっている現代人にとって、ドライアイはパフォーマンス低下の大きな要因と考えられます。「体にいいこと全般」を心がけてドライアイを改善し、ドライアイを改善して日々の生活もより良くハッピーに、という好循環を目指したいものです。


*1 Clin Ophthalmol. 2018 Feb 9;12:307-311
*2 Br J Ophthalmol. 2014 Mar;98(3):418-20
*3 J Ophthalmol. 2014;2014:943786
*4 PLoS One. 2015 Apr 1;10(4):e0123299
*5 J Occup Health. 2018 Jul 25;60(4):281-288